都市の緑化を推進する「ガーデンハウス」

クリストス・パブロウによる持続可能な建築デザイン

公共の緑地と自宅の庭を融合させることで、都市生活に新たな息吹をもたらす「ガーデンハウス」プロジェクト。このプロジェクトは、都市の緑化と地球温暖化防止に対する新たな可能性を提示します。

「ガーデンハウス」は、キプロスのニコシアで2017年から2019年にかけて実施されたプロジェクトで、デザイナーのクリストス・パブロウによって設計されました。この家は、公共の緑地と自宅の庭を一体化させることで、都市生活に新たな息吹をもたらすことを目指しています。プロジェクトの目的は、都市環境の質を向上させ、生物多様性を保護し、都市における二酸化炭素の排出を減らすことです。

この家の特徴的な要素は、敷地の60%を庭にし、一階のテラスを緑の屋根にすることで、都市の庭園の可能性と微気候の創出を強調しています。また、地面には主にビーローン(蜂が好む草花)が植えられており、蜂が生息する環境を作り出し、生物多様性の維持に寄与しています。

建築材料としては、主に鉄筋コンクリートの柱と梁を使用し、ガラスドアの隣には鋼製の円柱を設置しています。外壁には熱効率の良いレンガと塗装が用いられ、天井はコンクリートの質感をそのまま活かし、床には半固体の木材を使用しています。また、外観には可動式のルーバー付きスライドパネルを採用しており、光と熱の取り入れを調節しながら、近隣からのプライバシーを保護しています。

エネルギー消費の削減にも配慮がされており、パッシブソーラー、適切な方向性、クロスベンチレーション、緑の中庭による煙突効果などが取り入れられています。また、高性能の断熱材、エネルギーガラス、直射日光を100%遮断する外部パネル、LED照明、自動化システム、太陽光パネル15枚、ソーラーパネル4枚などが使用されています。

このプロジェクトは、都市が二酸化炭素排出量の大部分を占める現状に対する解決策を提供し、都市生活の新たなスタンダードを創出することを目指しています。その結果、「ガーデンハウス」は2020年にA'アーキテクチャ、ビルディング&ストラクチャーデザイン賞のシルバーアワードを受賞しました。

都市の緑化と地球温暖化防止に対する新たな可能性を提示する「ガーデンハウス」。このプロジェクトは、都市生活に新たな息吹をもたらすだけでなく、持続可能な未来への一歩を示しています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Christos Pavlou
画像クレジット: image #1:Charis Solomou, image#2:Charis Solomou, image#3:Charis Solomou, image #4:Charis Solomou, image #5:Charis Solomou.
プロジェクトチームのメンバー: Christos Pavlou
プロジェクト名: Garden
プロジェクトのクライアント: Christos Pavlou


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